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高島野十郎

Posted 13 8月 2011 | By | Categories: Blog All, Life, News | No Comments

私には好きな日本人芸術家が二人います。一人は放浪画家の「山下清」。もう一人は久留米出身の写実家「高島野十郎」、本名高島彌壽(やじゅ)です。「山下清」と「高島野十郎」、同じ方向を向いているのに対極の芸術家のように思います。「山下清」は子供の頃、まず作品よりもテレビ番組「裸の大将放浪記」が入り口でした。初めはそのイメージが強かったのですが、ある時「長岡の花火」のコピーを手にしてその作品に強く惹かれました。その後十代の終わり頃、初めて「山下清」の展覧会へ出掛け、「長岡の花火」を含む数々の実際の作品を見ました。画集などでは伝わらない貼り絵の奥行きや躍動を前に、更に強く心が震えました。これまで、例えばミレー、ゴッホ、ゴーギャン、シャガール、北斎などを見に行きましたが、アウトサイダアートなども含めあの瞬間を未だ超えることが出来ません。

野十郎との出会いは「蝋燭」。心に残ったので調べてみると、その生き方がまた響きました。東京帝国大学農学部水産学科を主席で卒業後、画壇に属さず、独学で絵を学び、純粋無垢な画家として生き抜きます。生家は資産家で画家の血脈もあり環境に恵まれた点はありますが、生涯を掛けて写実の一点を貫いたのですからやはり凄いです。そこで、今回久留米市にある石橋美術館で開催中の「高島野十郎 里帰り展」を見に行ってきました。とても興味深い展覧会でした。

個人的な感想ですが、野十郎の写実は科学者としての視点があるように思います。年代毎の作風の違いや、その時代に受けたであろう影響も作品には滲んでると思いますが、内面を色濃く映し出すと言うより、ありのままのとても自然な写実のように感じます。だから、私は野十郎が好きなのだと思います。「魚介類の観察図」など、学生の頃に書いたとされる絵はやはり原点で、とても印象に残りました。もしも高島野十郎に興味を持ったのならば、個人的には見るべき作品の一つだと思います。その後の闇の象徴として捉えた「月」や「蝋燭」「からすうり」などに繋がります。「高島野十郎 里帰り展」では「蝋燭」が石橋美術館別館に集められているのでかなりお薦めです。

ちなみにこの日は盛夏でした。福岡市内は朝方雲も多かったのですが、久留米に到着した三時頃には青空が広がってました。移動には西鉄電車を利用。久留米駅から石橋美術館までは徒歩。

照り返しの為か、SUNTOの簡易温度計は40度を超えてます。