Archive for 'Movie'

阿弥陀堂だより

Posted 08 7月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

主観になりますが、邦画の中では珠玉の名作。もう何度見たか分かりません。映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」はエルネスト・ ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナの葛藤と共に美しい南米を捉えていましたが、「阿弥陀堂だより」もまた人の繊細な洞察と美しい日本の風景を捉えています。キャストの寺尾聰は自然体だし、樋口可南子も綺麗です。おうめ婆さん役の北林谷栄も無骨で優しげです。

とても静かな作品です。ところが古き日本の持つ生死感や、その狭間に混在する数多くの物事を見事に表現しているので引き込まれます。例えば「生」や「死」といったテーマは取り扱いや順序を間違えると稚拙で曖昧になってしまうと思うのですが、きちんと繋がっていると本来の意味を提示してくれます。無駄な装飾を省き、歴史や重みを退屈と捉えず現代と照らし合わせた作品が「阿弥陀堂だより」なのでしょう。丁寧で正確、息遣いや言葉を優しく大切に扱っているのでとても響きます。ラストの「阿弥陀堂だより」の一文もまた日本の山岳信仰からなる里と山を表現していて物語に淀みがありません。四季の風景や言葉も含め、物凄く計算された作品なのだと思います。

登場する日本家屋も見ていて心地よいです。年齢にもよると思いますが、質素を機能美だと感じるのは等量分割の正確な比率や対照的なアンシンメトリーの風景が、襖や畳などを通して体に馴染んでいるからなのでしょう。

Mission to Mars

Posted 07 7月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

お馴染みの作品としては1996年公開の「Mission: Impossible」かもしれませんが、ブライアン・デ・パルマと言えば1983年の「Scarface」や1987年の「The Untouchables」、1993年の「カリートの道」など骨太のギャング映画が有名でしょうか。個人的には1981年ジョントラボルタ主演の「ミッドナイトクロス」も好きな作品です

そのブライアン・デ・パルマ作品群の中でも珍しいのが2000年公開の「Mission to Mars」、SF映画です。10年前の映画なので多少チープとは思いますが、知的生命体への探求というか、火星を舞台に螺旋の謎解きを分かりやすく描いた作品に仕上がってます。劇中に登場する昔ながらの映画の匂いやB級感、また時折引き込まれる対照的な細かい描写などが具合良く絡まり合っていて、幅広い年齢層で楽しめるかと思います。

The Killing Fields

Posted 29 5月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

公開は1984年、実話の映画化で、力強い作品だと思います。公開当初は賛否もあったようですが、時代の変遷と共に関連情報も調べやすくなり、26年後の今だとその主旨というか、見方も変わるのではないかと思います。個人的には戦争を知り、想像する上で良い素材だと思ってます。ラストの「イマジン」はとても印象的。

また、「ハイン・S・ニョール」の実体験からくる凄味というか、その存在はかなり大きく、この映画で素人ながらアカデミー助演男優賞とゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞してます。表面だけをなぞっても出ない気配なのでしょうか、映画に緊張感を与えてました。「The Killing Fields」はこれまで何度か見てますが、この人独特の印象は毎回強く頭に残ります。享年55歳。

「Diarios de motocicleta – モーターサイクル・ダイアリーズ -」

Posted 16 5月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

原作は「チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記」、個人的には必見の映画でした。息遣いが届きそうな映像美、「パリ、テキサス」にも共通するロードムービーの匂い。革命家として名高い「チェ・ゲバラ」がモデルなので思想的な面は多少ありますが、決して押し付けがましくありません。若者が旅先で見た風景を淡々と描いています。普遍的な葛藤と誰しもが感じる矛楯、問いの答えを探し求めて辿り着いた先にキューバがあったのでしょう。解答から入る思想や宗教は千差万別ある状況を半ば強引に填め込もうとするので不自然ですが、この作品に違和感はありませんでした。物事の順番を正確に表現しているからなのでしょう。とてもシンプルで、映画のラスト辺りは「カッコーの巣の上で」を思い出しました。

監督のウォルター・サレスは知らなかったので調べてみましたが、ドキュメンタリー作品が多くベルリン映画祭では金熊賞を受賞しています。「シティ・オブ・ゴッド」の制作を手掛けるなど、経歴がそのまま作風に出てました。どこか写真的で、とても美しい映像があります。主演のガエル・ガルシア・ベルナルと言えば2001年アルフォンソ・キュアロン監督の「天国の口、終りの楽園」でしょう。こちらも珠玉のロードムービーです。何というか、フェルナンド・メイレレスも含め南米生まれの監督が創り出す映像は独特で美しいです。

Red Planet

Posted 08 5月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

公開は2000年、一部B級な点もありますが、個人的に好きなSF映画の一つです。何と言っても出演している役者の面々が良く、まず「Matrix」のトリニティで心に残ったCarrie-Anne Moss。次にTom Sizemore、この人は本当に数多くの映画に出演していますが、「Black Hawk Down」がとても印象的でした。そしてTerence Stamp、イギリス人俳優と言えばまずこの人が頭に浮かびます。有名所では他にもAnthony HopkinsやSean Conneryなどもいるのですが、多分Terence Stampが主演していた「イギリスから来た男」という映画タイトルが強く頭に刷り込まれたのでしょう。

Stanley Kubrick監督「2001年宇宙の旅」、Steven Soderbergh監督「Solaris」、Danny Boyle監督の「Sunshine」などなど、珠玉のSF映画には共通項として科学と哲学の葛藤が描かれています。思うに、例えば何でもよいのですが「一つのもの」を考えても、対象には表裏だとか矛楯などの二面性が存在します。コンピュータなら「0と1」になるでしょう。好き嫌いという感情で表すことも出来ると思います。なので、この思考を相対的で複雑な日常に当て嵌めると更に混乱しやすくなると思うんですね。時に両極が逆転したりします。凝縮すると逆説や禅の世界になるのでしょう。

ところが宇宙を舞台とすると起点が地球や人間になり、対象も巨大化するので「宇宙の先には何が?」とか、時間の俯瞰、生死感など絶対性との対峙に躊躇いが無くなります。思考回路がとてもシンプルになるんですね。精神性と、もう片方の極にある人知や技術理論を一塊として捉えることがとても簡単になります。その無駄が無くなる感覚を楽しめるSF映画が大好きなんですね。日常生活の中だとテーマが真摯すぎるので暈かしがちですが、でも真実なので触れると面白いです。多少押しは弱いのですが「RED PLANET」にもその匂いがあります。ちなみに最近で言えば、探査機「はやぶさ」がその醍醐味を現実として提供してくれています。

Avatar

Posted 06 5月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

私が初めて見た長編CG映画は1982年に公開された「トロン」でした。十代の頃映画館に見に行ったのですが、今振り返ってみると内容を全く思いだせません。この年公開された不朽の名作と言えば「Blade Runner」で、同じく映画館に見に行きましたが、その映像は強烈な印象として頭に残り、時を経ても忘れることはありませんでした。何年かに一度見たくなるのでレンタルを繰り返してますが、映像のチープ感は時代的に仕方ないとして、今でも大好きな映画の一つに変わりはありません。1982年の二つの作品を比べてみると、デジタルはアナログに全く対抗できませんでした。

その27年後、2009年に「Avatar」が公開されます。興味自体はあったのですが、キャメロンが余り好きでないこと、CGの映像に飽きていたことなどで映画館には足を運びませんでした。なのでDVDで見たのですが、良かったです。映画館に見に行くべきでした。

この2年くらいでしょうか、映画の色彩に変化があるとは思ってたのですが、CGはもう別の次元へと進んでいました。例えば私が子供の頃、SF映画のベースとなったのは「2001年宇宙の旅」でした。「Avatar」もまた家族で楽しめる映画なので、多くの子供達が眼にしたことと思います。それは今の子供達の基準が「Avatar」になったということでもあると思います。これ、凄いことでしょう。「2001年宇宙の旅」も名作ですが、映像としては古いので今となれば精神性に寄ると思うんですね。画面に表示されている色数とか、コントラストやなんかの数値にはかなりの違いがあると思います。例えば白黒テレビとカラーテレビの違いのような。

個人的にはアナログを越える可能性を示したCGが遂に登場したと思いました。で、この映像美を基準として育つ子供達ってどんななんでしょう。画面には違和感さえ与えない圧倒的な情報が収まっていて、新鮮な脳がそれを見て無意識に学習します。実際の風景とは、特に体力を使わなければ見ることの出来ない風景の場合、複雑な過程、視覚や聴覚以外の体感、風速や気温などの情報、緊張と緩和も含め多様なので比較にならないと思いますが、日常生活くらいだと感じ方なんかには大きな違いが生まれそうです。そんな映画に触れた子供達が大人になって作る映画、私の脳はその頃その速度にもう追い着かないと思いますが、楽しみではありす。「Avatar」さえ古いと思える時代、映像は果たしてどうなるのでしょうか。鑑賞後そんなことを考えたりもしました。「トロン」から「Avatar」まで僅か27年、今後先祖返りするのかそうでないのか、最良と最悪の二面はあると思いますが、映画はまだまだ進化を続けそうです。

深呼吸の必要

Posted 19 4月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

黒澤明に北野武、好きな監督は他にいますが、もしも一枚だけDVDを持って旅に出るとしたなら、迷うことなくこの作品を鞄に詰め込みます。もう何回見たか分かりませんし、過去に何度か紹介もしましたが、現在のブログに移行してからはまだなので再掲します。

興味がある方は是非見てみて下さい。出演者云々ではなく、旅先で触れた風景を思い出すようなとてもナチュラルな作品です。

映画の舞台となったのは沖縄県「宮古島」、とても穏やかな島で、個人的にはかなりお薦めの島です。そしてもう一つの舞台となったサトウキビ畑は鹿児島県「沖永良部島」。とても小さな島ですが、田皆岬からの風景は絶景です。私が宿泊した宿は東シナ海に面していたのですが、朝目覚めた時の隆起珊瑚とその先に広がる水平線は今でも忘れることが出来ません。体調がかなり回復してきたので来年は小笠原諸島への旅に出掛けようと思っているのですが、この映画を見ると南西諸島を南下したくなります。グッときますね。

映画「蟹工船」

Posted 09 3月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

この映画を見終えると、例えばテレビやある種の娯楽はその殆どが強制的なガス抜の為のツールであって、もしかすると時代はそれ程変わってないのかも、と思えたりします。なので、「蟹工船」が今の時代に再度掘り起こされた理由も分かる気がします。小林多喜二作の「蟹工船」は発表が1929年なので既に81年が経過しているのですが、今の日本は太平洋戦争という激動の時代を超えて尚変遷出来ない、と言うかしない現実がきっとあるのでしょう。

プロレタリア文学の代表作と呼ばれる原作には当時の社会性が強く含まれていて、それをベースとするこの映画は、どちらかと言えばノンフィクション的です。共産主義の理想と現実だとか、資本主義の善悪だとか、派生する歴史も複雑で、例えば山岳ベース事件など無垢な筈が実は歪んでいて結果最悪に濁ってしまっていたなどの事実も数多くあります。形象としてはテロと同じに思えるのですが、始まりの言葉など、そこだけを切り取ると間違いとは思えないので整理が必要になります。物語にある労働者の決起は当然としても、その延長線上にあった共産主義は半ば崩壊しているし、だからといって資本主義が真っ当な答えかというと、そもそも純粋な競争社会と呼べないのが現実で、冒頭のような感じになってしまいます。結局どちらも極度に農耕色が強いのでしょう。

なので実際にこの映画を深く理解しようとするならばある程度の歴史認識が必要になると思います。映画そのものは政治色を排除した感もあり、シンプルに言葉だけを受け取れるようになってはいますが、調べれば直ぐに分かる時代背景なので、突っ込んでみると今の時代との対比が鮮明になって面白いと思います。ただ蟹工船の時代と現代が同じというのは少し乱暴だと思うので、再検証の取っ掛かりとして見る映画なのでしょう。知るという点で歴史は逆行するしかないので、巻き戻し、もしくは早送りの最初の地点としては丁度良い気がします。ちなみに今後の邦画を背負うかもしれない良い役者も多く出ているので、受け取り方は様々かと思いますが個人的にはお薦めの映画です。

「さよならCOLOR」

Posted 04 2月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

2005年公開竹中直人監督作品「さよならCOLOR」、初めは入り込めませんでした。途中から、この作品には竹中直人という人間性が反映されていて、洒落過ぎな面はあるけど悪くないと思い始めました。普通、色や気配が伝わっても、監督の人間性は余り感じないものです。この感覚は北野武監督以来な気がしました。そして後半、もう涙が止まりませんでした。痺れてました。真っ直ぐでブレないテーマ、現実的でとても温かい物語が続きます。竹中直人監督作品は初めて見ましたが、正直グッと来ました。在りし日の清志郎の姿も含め、かなりお薦めの邦画です。

それぞれの空に

Posted 18 1月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

淡々とした物語なので好みは分かれると思いますが、個人的にはかなりお薦めの作品。出演は「ショーシャンクの空」でお馴染みのTim Robbins、「バベル」や「大いなる陰謀」などのMichael Pena、「消されたヘッドライン」のRachel Anne McAdams。鮮烈な印象は殆どないのに、映画が終わるとグッとくる作品。ロードムービーならではの気配に何時の間にか引き込まれていました。

生きてこそ

Posted 02 1月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

1993年公開、ウルグアイ空軍機571便遭難事故をモデルにしたドキュメンタリー小説「Alive – 生きてこそ -」の映画化。監督はFrank Marshal、プロデューサーとしてSteven Spielbergの映画に数多く関わっています。ウルグアイ空軍機571便遭難事故とはアンデス山脈に墜落した航空事故のことで、乗員乗客45名中29名が死亡しました。墜落から11日後に捜索が打ち切られ、ラジオでその事実を知った生存者が、極寒、飢餓、雪崩、絶望と極限の状況を72日間生き抜き、その中の二人が自力でアンデス山脈を越え救助を求めた史実です。

単なるパニック映画ではなく「生きる」ことへの執着や深遠を力強く描いた名作です。骨折など負傷した者を救う薬もなく、痛みに苦しみながら息を引き取ったり、劇中には生存のための唯一の方法カニバリズムも描かれています。過酷な状況を正確に描写しているので、見ていて身が竦みます。身が竦むのですが、もし自分が死んだ場合はその肉を食べてでも生き抜いて欲しいという、臓器移植の思想に近い思いもあるので、決してネガティブな感情ばかりでははありません。カニバリズムには単なる恥知らずで下衆な嗜好性や、フォレ族のクールー病のように因子はプリオン、儀式が感染源だったなど結果的に間違いだった社会性などもあるのですが、それだけでは決して説明できない現実をこの作品は示しています。

Apollo 13

Posted 02 1月 2010 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

「成功した失敗」と呼ばれる実際に起こったアポロ13号爆発事故をモデルにした作品。脚色がどれ程なのか定かではありませんが、月面着陸へ向け打ち上げられたアポロ13号が地上321,860kmの地点で爆発事故を起こし、絶体絶命の状況の中、宇宙飛行士とNASAが人知を会わせ生還を試みる緊迫した様子を描いたパニック映画です。

監督はRonald William Howard、最近で言えば「The Da Vinci Code」「天使と悪魔」が有名でしょうか。個人的には「Cocoon」や「身代金」などが好きな作品です。CGが最初に使われた映画と言えば1982年公開の「TRON」だと思いますが、本格的に映画へ影響を及ぼし始めたのが1990年初頭からで、1995年に公開された「アポロ13」もまたCGが話題となりました。実際の人間模様とCGが違和感なく融合した作品とも言えるでしょう。例えば「Terminator」や「Jurassic Park」はやはりフィクションになるので捉え方が違ってきます。「TRON」も子供の頃に映画館で見ましたが、同様に現実的な物語ではありません。そう言った意味合いにおいても「アポロ13」はお薦めの映画です。

Easy Rider

Posted 31 12月 2009 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

「Born To Be Wild」が象徴的なアメリカン・ニューシネマの一つ「Easy Rider」、公開は1969年と古いのですが、映画ファンのみならずバイク、旅好きにはお馴染みの作品と呼べるでしょう。作品として好みは分かれると思いますが、若き日の「ピーター・フォンダ」「デニス・ホッパー」「ジャック・ニコルソン」の好演、ロード・ムービーでありながらも哲学的な作風など、病的なアメリカの一部を切り取った不朽の名作だと思います。

「俺たちに明日はない」「Taxi Driver」「カッコーの巣の上で」などなど、1960年代後半から1970年代半ばにかけて制作されたアメリカ映画は破滅的なのですが、一つの時代を反映していて名作揃いです。ちなみに「カッコーの巣の上で」のラストシーンは、最も好きなシーンの一つ。主演の「ジャック・ニコルソン」がロボトミーによって変質する姿はアメリカン・ニューシネマ的ですが、「ウィル・サンプソン」で終わるラストシーンは他の作品と一線を画していました。「タクシードライバー」で終焉するアメリカン・ニューシネマの死に際が既にこの作品にはあるのだと思いますが、単純に、劇中登場する「ジャック・ニコルソン」のセリフがシンプルにラストへと繋がり、僅か数分間の中に総てが詰まったシーンが強く印象に残りました。個人的には今でもこのラストシーンを越える映画は登場していません。

アヒルと鴨のコインロッカー

Posted 28 12月 2009 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

多少突っ込み所はあるもののかなりお薦めの映画。原作は「伊坂幸太郎」。監督は「中村義洋」、最近では「ジェネラル・ルージュの凱旋」が話題を呼びました。次回公開予定は「ゴールデンスランバー」。ところで掲載している作品には総てに原作があります。海堂尊の作品は時間を見付けて読む予定ですし、「ゴールデンスランバー」は多少前になりますが2008年の本屋大賞1位で、こちらも購入予定の本。ちなみに2008年の本屋大賞には「八日目の蝉」6位もあり読書リストに入れてます。最近原作がある映画の面白さに気付きました。これまでは原作を越える作品が少なかったので分けて考えていたのですが、両方を楽しめてます。というか、やっぱり本が面白いのだと思います。特に紙に印刷された活字が良いです。

「劔岳 点の記」

Posted 17 12月 2009 | By | Categories: Blog All, Books, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

劔岳 点の記

圧倒的な映像美がありました。「平坦で抑揚のないストーリー」という意見も耳にしていたのでどうかと思いましたが、原作を出来る限り壊さないよう忠実に再現していたと思います。その原作が徹底的な取材を元にしたノンフィクションと言える作品なので、抑揚がないと言われる描写は脚色を抑えた当然の帰結であって、逆に違和感がありませんでした。宮崎あおいを除けばキャスティングも良く、読後役者の顔触れを見た時、主要な役所を総て予測できました。

難点は原作を読まなければ再現性に気付かないことでしょうか。視点がズレてしまうので、繊細な描写を見落としてしまうと予測出来ます。主人公は登山家でなく陸地測量部に所属する測量手であり、物語の骨子は冒険でなく地図を作ることです。結果冒険であり、劔岳登頂に至ります。「点の記」とは映画でも説明されていますが、三角点設定の記録です。この映画の中心は記録にあって、その前提があることで初めて焦点が定まるのだと思います。例えば最後に設定された四等三角点に点の記はなく、ここで物語の主旨や原作者が徹底的な取材でこの記録を掘り下げたことが分かり、原作に重きを置いた監督の意図が見えるように思います。結果リアリティが必要なのは測量に必要な機材であり、剣岳という厳しくとも雄大で美しい風景となると思います。測量手にとって大切なのは天幕やザイルではなく三等経緯儀になるのでしょう。当然原作に熊も出て来ます。また、少々残念だったのは、立山信仰と劔岳の関係、映画にも登場する行者様の描写が少々弱かったことでしょうか。立山曼荼羅の理解が無ければ、宇治長治郎の魅力も陰ります。個人的に最も好きな登場人物で、原作の後書きに記された実際の人柄を知ると、物語の長治郎そのものであることが分かりとても温かい気持ちになります。なので、仕方ないとは思いますが原作を知らずに映画を見た人の感想は言葉半分になると思います。

黒澤映画を踏襲するからなのか、木村大作監督の作品もまた美しい映画でした。パンフォーカスに拘った黒澤明に認められた撮影技師としての腕も映像に現れているのでしょう。また、観た後に「八月のラプソディー」や「阿弥陀堂だより」を思い出しました。ちなみに「阿弥陀堂だより」は「八月のラプソディー」で助監督をしていた小泉堯史が監督をしています。そう考えると、やはり黒澤明の影響というのは凄いのでしょう。

原作を読まなければ映画の魅力が落ちる、賛否はあると思いますが、媚びたり詰め込みすぎて破綻するよかよっぽど良いです。「劔岳 点の記」言わば大人の映画で、久し振りに邦画の良さを堪能出来た作品でした。

消されたヘッドライン

Posted 08 12月 2009 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | No Comments

消されたヘッドライン

監督はKevin Macdonald。作品はまだ少ないようですがなかなかの映画でした。主演はRussell Ira Crowe (ラッセル・クロウ)。個人的には映像の気配だとか色がかなり好みで、この映画でも脚本として参加しているTony Gilroy監督作品「Michael Clayton – フィクサー -」や「Seven Pounds – 7つの贈り物」などを思い出しました。どちらもお薦めの作品です。

アフタースクール

Posted 08 12月 2009 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | No Comments

アフタースクール

個人的にはかなりお薦めの作品。面白いです。公開は2008年、同年には「おくりびと」もあるので、この年は邦画の当たり年だったのだと思います。

ジェネラル・ルージュの凱旋

Posted 08 12月 2009 | By | Categories: Blog All, Life, Movie | No Comments

ジェネラル・ルージュの凱旋

原作は海堂尊。オートプシー・イメージング導入の提唱でも知られています。一度テレビで見ましたが、話の内容が物凄く整理されていて、個人的にはかなり興味を持ちました。なので映画も見てみたのですが、医療現場が抱える問題や不整合が作品に散りばめられていました。単なるエンターテインメント作品の枠を越えて面白かったです。まだ読んでませんが、この映画、原作そのものに魅力があるような気がするので、今度読んでみたいと思います。