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行かずに死ねるか! 世界9万5000km自転車ひとり旅

Posted 18 11月 2011 | By | Categories: Blog All, Books, Life, , 自転車 | コメントは受け付けていません。

いつかは読もうと思っていた作品ですが「人の旅より自分の旅が先だろう」とスルーしていました。でも、リハビリがてら始めたウォーキングが2,250kmを超えたので、距離的には1/38と全く及びませんが、よい機会だと思い読んでみました。

総てがある、とまでは言いませんが、多くの様が詰まっています。最高のノンフィクションであり、珠玉のロード・ノベルです。最近読んだ本では小説「1Q84」がベストでした。「ノルウェイの森」以来村上春樹は好みじゃないのですが、三巻とも夢中になって読みました。でも「行かずに死ねるか!」はこれまで読んだ本の中でもベストに入ります。初版は2003年だし、安易に両作品を比較出来ませんが「終わらないで」と思いながらページを捲ったのはとても久し振りで、個人的には「1Q84」を超えました。言葉はシンプル、でも稚拙ではありません。個人的にはK・ローレンツの「攻撃」や三島由紀夫の「潮騒」を読んだ時と同じくらいに楽しみました。最高の読み物です。

描写が適度なので、決して現地に行った気にはなりません。だから旅に出掛けたくなります。以前、西表島で出合った自転車乗りは北海道から走って来たと言ってました。あまりに逞しい脹ら脛を見た際、バイク乗りの私は咄嗟に「敵わん」と思いました。でも、旅には様々な形があるので、比べる必要はありません。互いの無事を祈り、自転車乗りもまた決してエンジン付きを馬鹿にすることなく、握手を交わして別れました。「僕もバイクは大好きです。でも、いつの日か試しに自転車で旅をしてみて下さい、きっとハマリますよ」と。その清々しさがこの作品にもあります。相手のスタイルに敬意を払う姿です。

日常のウォーキングにもドラマはあります。例えば夏の炎天下、汗だくで歩いていると、弾けるような笑顔を浮かべながら小さな女の子が近付いてきました。何をするかと思えば、握りしめていた団扇で私を扇いでくれました。豪雨の中歩いていると、オバチャンが「傘貸してあげるから」と声を掛けてくれたこともあります。悪い人もいますが、心優しい人もいます。

歩くにはとてもよい季節です。「世界9万5000km」には及びませんが、目を懲らせば日常もルートに成り得ます。その延長線上に異文化はあるし、道も続いています。歳を重ねる毎に長旅は難しくなりますが、長い目で、時間や現実に押しつぶさることなく私も地図を埋めたいと思います。ちなみに写真はウォーキングコースの一部、晴れた日の夕暮れはなかなかの風情です。

1Q84 Book 3

Posted 25 5月 2010 | By | Categories: Blog All, Books, Life | コメントは受け付けていません。

点と点を繋げるのが本当に上手い作家だと思います。しかもタイミングが絶妙なので展開が濁ったり絡み合うことがそれ程ありません。とても読みやすいです。例えば未だ読破してない本の一つに「百年の孤独」があるのですが、理由の一つとして、途中時間が空くと登場人物の系図を忘れてしまうことがあります。読破が目的ならそのまま読み進むのですが、活字は理解してナンボだとおもうので、これまで何度となく一から読み直しています。でもこれだとなかなか前に進みません。ただ、それも本を読む醍醐味の一つなのでいつの日か読み終わればよいと思ってます。ところが「1Q84」、多少間があいても思い出すんですね、物語を。組み込まれた情報や言葉の密度はそれぞれ違うので一概に比べられませんが、やっぱり様々な物事の選択の具合が絶妙なのだと思います。複数の人物像をしっかりと展開しながらもテーマは一貫しているので散らかりもしません。何というか、活字の面白さを再確認出来る本だと思います。

ちなみに輪廻を思わせるような「Book3」なので一応完結とも受け取れますが、微妙といえば微妙なので、「Book4」への期待は持つことにしてます。多くの方が気付いているように、物語の始まりは4月からでした。1月-3月が無いことに深い意味は無いのか、ただ、例えば氏神は春に里へ降り秋の収穫が終わると山へ帰るので、宗教と人間がテーマだと考えるとある部分利に適っているとも言えます。そう考えると物語は完結なのかもしれません。ただ何か不足しているとも思えるし、物語が続いたとしても破綻することなくまだまだ楽しめるような気がします。

「劔岳 点の記」

Posted 17 12月 2009 | By | Categories: Blog All, Books, Life, Movie | コメントは受け付けていません。

劔岳 点の記

圧倒的な映像美がありました。「平坦で抑揚のないストーリー」という意見も耳にしていたのでどうかと思いましたが、原作を出来る限り壊さないよう忠実に再現していたと思います。その原作が徹底的な取材を元にしたノンフィクションと言える作品なので、抑揚がないと言われる描写は脚色を抑えた当然の帰結であって、逆に違和感がありませんでした。宮崎あおいを除けばキャスティングも良く、読後役者の顔触れを見た時、主要な役所を総て予測できました。

難点は原作を読まなければ再現性に気付かないことでしょうか。視点がズレてしまうので、繊細な描写を見落としてしまうと予測出来ます。主人公は登山家でなく陸地測量部に所属する測量手であり、物語の骨子は冒険でなく地図を作ることです。結果冒険であり、劔岳登頂に至ります。「点の記」とは映画でも説明されていますが、三角点設定の記録です。この映画の中心は記録にあって、その前提があることで初めて焦点が定まるのだと思います。例えば最後に設定された四等三角点に点の記はなく、ここで物語の主旨や原作者が徹底的な取材でこの記録を掘り下げたことが分かり、原作に重きを置いた監督の意図が見えるように思います。結果リアリティが必要なのは測量に必要な機材であり、剣岳という厳しくとも雄大で美しい風景となると思います。測量手にとって大切なのは天幕やザイルではなく三等経緯儀になるのでしょう。当然原作に熊も出て来ます。また、少々残念だったのは、立山信仰と劔岳の関係、映画にも登場する行者様の描写が少々弱かったことでしょうか。立山曼荼羅の理解が無ければ、宇治長治郎の魅力も陰ります。個人的に最も好きな登場人物で、原作の後書きに記された実際の人柄を知ると、物語の長治郎そのものであることが分かりとても温かい気持ちになります。なので、仕方ないとは思いますが原作を知らずに映画を見た人の感想は言葉半分になると思います。

黒澤映画を踏襲するからなのか、木村大作監督の作品もまた美しい映画でした。パンフォーカスに拘った黒澤明に認められた撮影技師としての腕も映像に現れているのでしょう。また、観た後に「八月のラプソディー」や「阿弥陀堂だより」を思い出しました。ちなみに「阿弥陀堂だより」は「八月のラプソディー」で助監督をしていた小泉堯史が監督をしています。そう考えると、やはり黒澤明の影響というのは凄いのでしょう。

原作を読まなければ映画の魅力が落ちる、賛否はあると思いますが、媚びたり詰め込みすぎて破綻するよかよっぽど良いです。「劔岳 点の記」言わば大人の映画で、久し振りに邦画の良さを堪能出来た作品でした。

「劔岳 点の記」新田 次郎

Posted 26 7月 2009 | By | Categories: Blog All, Books, Life, Movie | No Comments

「劔岳 点の記」新田 次郎

現在公開中の映画「劔岳 点の記」、入院中にまずは原作を読みました。長篇山岳小説ですが、記録と取材を元に描かれているのでノンフィクション的な要素が強く面白いです。登場人物も魅力的で実在します。以前から山岳信仰にも興味があったので、これを機に色々と調べてみようと思います。

「剣岳 点の記」

Posted 16 5月 2009 | By | Categories: Blog All, Books, Life, Movie | No Comments

「剣岳 点の記」

この映画はかなり見たいです。
何年か前まではワイヤーアクションやCGも面白かったのですが、もう飽きました。
最近で言うと「GOEMON」に全く興味が持てないのは、あの手の映像に食傷してるからなのだと思います。
例えば黒澤映画が未だ新鮮なのは、一線を越えた知恵と技術と体力が揃って記録されているからなのでしょう。
「剣岳 点の記」Web上の特別映像を見てそう感じました。
まずは公開までの間に原作を読もうと思います。